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旧:3巻まで読んでみた

やっぱりソ連はおそロシア オリガ・モリソヴナの反語法

kindle

星4つ★★★★☆

 

チェコのモスクワ学校に通ってた主人公が、当時ダンスの教師だった女性の謎に迫る。

 

まあ、夢中で読んじゃったよ。この作品の面白さの要素は複数あって、1つが謎解き要素。オリガ・モリソヴナという人間の来歴。彼女の周囲にいる同じく過去の見えない人物。この本のメインであり、一度読んだら止めどきを失う。

 

次の要素がソ連が舞台という点。歴史上でも大変ユニークな国だけど、この国を舞台にした話を書くにはしっかりとした知識がないといけない。日本やアメリカの話を書くのとはわけが違う。その点、著者はこの作品の主人公と同じくモスクワ学校出身であり、本の中にもそのリアルが反映されている。

 

次が絶望的な状況で生きる人間の姿。食料も無く、人間の尊厳も奪われという収容所(?)での生活の描写がとても生々しい。誇張されてる部分もあるのかなとも思いつつ、当時のソ連ではこんな事が起きてたんだねえ。

 

そして1番重要なのがこの話はフィクションとノンフィクションが混じってるということ。どこまでが本当なのかまったく分からないレベルで融合されている。

 

1つ難点を言うと、タイトルにもなってる彼女の反語法がいまいちピンとこなかったというか、嫌な言い方をするなら、これって著者の身内ネタなんだよね。自分はそれに乗れなかった。読み方が浅いだけかな?