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旧:3巻まで読んでみた

胸を張って日本はスゴイと言うために 日本史から見た日本人 古代編

kindle

星4つ★★★★☆

面白い日本史の本とつまらない本の違いはどこにあるのか、この本を読んで気づいた。それは作者が世界史に通じているかどうかである。井沢元彦渡部昇一。この2人は世界史の知識があるだけじゃなく、日本史と比較し読者に解説するのが本当に上手だ。

 

で、この本は現代まで通じる日本人らしさの源流を古代まで遡って解説するというものである。

 

この本のいい所であり、悪い所でもある点が1つ。それは全編にわたって「日本人スゲーーー!」で埋め尽くされてることだ。○○が作られたのは平安時代でこれはヨーロッパより100年も早い、とか終始こんな感じ。が、これは仕方ないことなのである。というのも、この本が書かれたのは昭和48年。ちょうど世界が日本を成り上がり者として見ていた時代。日本はこんなにも古い歴史と文化を持ってるんだと世界に、日本人に知らしめる必要があったんだと思う。

 

なわけで古い本なのである。が、自分は古い作品が媒体に関係なく苦手だ。にもかかわらず、この本は問題なく読めた。事前に古い本だと知らなければ気付かずに読んでたかも。

 

あと面白いと思ったのは連続性の話。イギリス人が今の自分達との繋がりを感じるのは16世紀からでそれ以前のイギリス史には連続性をあまり感じないらしい。対して日本人は少なくとも奈良時代に断絶は感じてない。万葉集源氏物語を自分達と繋がりのあるものとしてとらえてる。ん?そうか?と思う人もいるだろうが、歴史を連続性で見るというのは個人的に発見だった。

 

それにしても、いくら海外に住んでたことがあるとはいえ、世界史(というか海外の文化)の知識量が凄まじよこの人。