出来るだけ楽しみたいから

嫌いなものには関わらず好きなものに囲まれて生きていたい

旧:3巻まで読んでみた

ビザンツ皇妃列伝 憧れの都に咲いた花

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星4つ★★★★☆

ビザンつ帝国の皇后から8人を、その時その時の帝国の状況を交えつつ語っていく。

 

王朝の話が好きだ。天皇はもちろん、新しい王朝が生まれては滅んでいく中世ヨーロッパの歴史も好きだ。しかし、一部の例外を除いて、皇后が取り上げられることは無いのでこういう本は嬉しい。しかもそれが日本じゃあまり扱われてないビザンツだからなおさらだ。

 

この本の良い面であり、人に依っては悪い面になるのが、著者の想像がかなり入ること。これには幾つかの仕方ない理由がある。まず資料がとにかく少ないこと。基本、皇帝のおまけ扱いでしか書かれないので特にその心情面は本当に想像する以外にない。次が、当時の歴史家は皇后を悪く書く癖があり、著者がこれのおかしな点を指摘するんだけど、若干、彼女たちに感情移入しすぎな点は気になる人がいるかも。

 

8人のエピソードの中で面白かったのはやっぱり最後の2人。なんてたって帝国滅亡直前の皇后だからね。

ドロップフレームを3巻まで読んでみた

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星3つ★★★☆☆

 

惜しい!!もったいない!!

面白い所とつまらない所が同居していて評価が難しい。

 

さて、あらすじなんだけど・・・、完全に僕だけがいない街だわこれ。夏休みを利用して映画の制作を満喫する学生5人の物語。1巻は特別なことは起こらず、ひたすら映画撮影の日常が続く。が、これがつまらない。

 

理由は色々あるが最大のはキャラクターかな。申し訳ないが誰一人好きになれなかった。ごくごくオーソドックスなキャラばっかで嫌なキャラなんていないのに何でだろ。絵はすごく綺麗なんだよね。ヒロインなんかどのシーンも美しく描かれててさ。魅力的なキャラが皆無なわけではないんだ。2巻からは僕街のアレをさらに複雑にしたようなことが起こるんだけど、そこで主人公が1人で頑張る姿なんて良いと思うし、刑事のあの人も、主人公に都合のいいキャラだと思うがメインキャラ達よりは魅力がある。

 

1巻は絵以外見るとこゼロだが、2巻からが本番。彼等は映画制作をしてるわけだけど、主人公はその中で動画編集を担当してる。それを少し絡めたような現象が起きてからは面白く読める。

 

3巻が解決編かなーなんて思いながら2巻を読んでたんだけど、いざ、3巻を読んでみたら解決どころか新たな要素をぶっこんできてさらに複雑に。4巻が最終巻かな?

 

日常シーンがつまらんと上に書いたが、あくまで個人的にで、大半の人はそう感じないと思う。メインストーリーは誰が読んでもハラハラドキドキの物語なんで、ループ物(ではないが)が好きな人は要チェック。

胸を張って日本はスゴイと言うために 日本史から見た日本人 古代編

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星4つ★★★★☆

面白い日本史の本とつまらない本の違いはどこにあるのか、この本を読んで気づいた。それは作者が世界史に通じているかどうかである。井沢元彦渡部昇一。この2人は世界史の知識があるだけじゃなく、日本史と比較し読者に解説するのが本当に上手だ。

 

で、この本は現代まで通じる日本人らしさの源流を古代まで遡って解説するというものである。

 

この本のいい所であり、悪い所でもある点が1つ。それは全編にわたって「日本人スゲーーー!」で埋め尽くされてることだ。○○が作られたのは平安時代でこれはヨーロッパより100年も早い、とか終始こんな感じ。が、これは仕方ないことなのである。というのも、この本が書かれたのは昭和48年。ちょうど世界が日本を成り上がり者として見ていた時代。日本はこんなにも古い歴史と文化を持ってるんだと世界に、日本人に知らしめる必要があったんだと思う。

 

なわけで古い本なのである。が、自分は古い作品が媒体に関係なく苦手だ。にもかかわらず、この本は問題なく読めた。事前に古い本だと知らなければ気付かずに読んでたかも。

 

あと面白いと思ったのは連続性の話。イギリス人が今の自分達との繋がりを感じるのは16世紀からでそれ以前のイギリス史には連続性をあまり感じないらしい。対して日本人は少なくとも奈良時代に断絶は感じてない。万葉集源氏物語を自分達と繋がりのあるものとしてとらえてる。ん?そうか?と思う人もいるだろうが、歴史を連続性で見るというのは個人的に発見だった。

 

それにしても、いくら海外に住んでたことがあるとはいえ、世界史(というか海外の文化)の知識量が凄まじよこの人。

やっぱりソ連はおそロシア オリガ・モリソヴナの反語法

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星4つ★★★★☆

 

チェコのモスクワ学校に通ってた主人公が、当時ダンスの教師だった女性の謎に迫る。

 

まあ、夢中で読んじゃったよ。この作品の面白さの要素は複数あって、1つが謎解き要素。オリガ・モリソヴナという人間の来歴。彼女の周囲にいる同じく過去の見えない人物。この本のメインであり、一度読んだら止めどきを失う。

 

次の要素がソ連が舞台という点。歴史上でも大変ユニークな国だけど、この国を舞台にした話を書くにはしっかりとした知識がないといけない。日本やアメリカの話を書くのとはわけが違う。その点、著者はこの作品の主人公と同じくモスクワ学校出身であり、本の中にもそのリアルが反映されている。

 

次が絶望的な状況で生きる人間の姿。食料も無く、人間の尊厳も奪われという収容所(?)での生活の描写がとても生々しい。誇張されてる部分もあるのかなとも思いつつ、当時のソ連ではこんな事が起きてたんだねえ。

 

そして1番重要なのがこの話はフィクションとノンフィクションが混じってるということ。どこまでが本当なのかまったく分からないレベルで融合されている。

 

1つ難点を言うと、タイトルにもなってる彼女の反語法がいまいちピンとこなかったというか、嫌な言い方をするなら、これって著者の身内ネタなんだよね。自分はそれに乗れなかった。読み方が浅いだけかな?

 

 

魔法少女特殊戦あすか 1巻

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星4つ★★★★☆

まどマギ以降、キャラが凄惨な目に遭う、ちょっと精神的にくる魔法少女物は珍しくなくなったが、これもその系統に入るのかな。ミリタリー+魔法少女がコンセプトらしくその辺の考証もしっかりしてるっぽい。

 

基本シリアスで1巻はまだ大丈夫だがこの先仲間、友達が次々と死んでいくのが容易に想像がつく。でありながら、百合要素もしっかり完備されていて抜かりはなし。(死ぬフラグ建ってるキャラばっかだが)

 

欠点という程ではないが、絵柄はあまり好きじゃないかな。ストーリーとは合ってると思うが。

 

1巻は世界観説明とキャラの顔見せがメインだがちょいエグイシーンや主人公のイケメンっぷり等の見どころもあり、これから先女の子がどう酷い目に遭うかが楽しみだ。(えっ)

ヴァンダル興亡史 地中海制覇の夢

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星3つ★★★☆☆

北アフリカと地中海を約100年支配したゲルマン民族の王国の歴史を扱った本。記述の仕方がごく全うで特別な個性は無い。まあ、歴史の解説本にそんなの求めてないが。自分は一応歴史好きなんだけど、この国のことはまったく知らなかった。

 

本の前半は、ヴァンダル族を率いてヨーロッパ大陸からアフリカへ渡り、たった一代で王国を築いた英雄ゲイゼリックを柱として進行していく。後半、彼の死後は衰退と滅亡で幕。

 

ヴァンダル王国という国そのものにはあまり魅力は感じなかった。個人的なこの本の価値は別のとこにある。それはローマ帝国、東・西ゴート王国ビザンツ帝国が所々に出てくるという点。ローマ帝国の本って沢山出てるのにその滅亡を書いたものってほとんど無いよね。もちろん自分が知らないだけであるとは思うんだけど。東・西ゴート王国に至ってはそもそも扱う本自体が数えるほども無い(この本の著者による東ゴート興亡史という本はある)。で、ヴァンダル王国誕生から滅亡の期間がちょうどローマ帝国が亡ぶ前後に位置してるわけ。ほんの少しだけどこれらの国の解説が時折入るわけ。これが有難い。

 

ビザンツに関しては何冊か読んでるんだけど、それらの本の中でヴァンダル王国の名前を見たことって無いんだよね。俺が見逃してる可能性はもちろんあるが。最終的にヴァンダル王国を滅ぼすのはビザンツなんだけど、ビザンツの本でヴァンダルを滅ぼしたなんて記述は見た記憶が無い。ヨーロッパ史って意外な所で意外な国の名前が出て驚く時があるよね。

 

本筋がつまらない訳では決してないけどヨーロッパ史全体の把握に少しだけ助けになる本って感じかな。

地球のおわりは恋のはじまり 1巻

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星3つ★★★☆☆

 
ジャンルは少女漫画、でいいんだよね?
 
あらすじ
顔良し性格良しの妹のお陰でまったくモテず、超ネガティブになってしまったヒロインがクラスのイケメンに何故か告白される。起こるはずのない事に驚き逃げ続けるが、イケメンの猛攻によって徐々に心を開いていく。
 
この作品の魅力の8割はヒロインの可愛さにある。基本、イケメンのアタックに照れてるか、ネガティブ思考でどんよりしてるかのどっちか。

 

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もう1つ取り上げたいのがサブのツンツンした女の子。1巻ではまだその片鱗しか見えないが、もしかしたら今後ヒロインを食ってしまうんじゃないかと思わせるポテンシャルを秘めてる。
 
まだ話がどう展開して行くのか想像がつくようでつかないので、とりあえず2巻が楽しみ。